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初心者用語解説:ロードバランサー(負荷分散)の意味とは?いまさら聞けないメリットや注意点

最終更新日:Sep 10, 2024

ロードバランサーとは日本語で負荷分散と呼ばれる仕組みで、サーバーへのアクセス負荷を適切に分散させる装置をいいます。この特徴、メリット・デメリットを解説し、ロードバランサーとは?といった知識~導入の可否の判断材料になる情報を提示します。

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今日のデジタル化が進む社会において、ウェブサイトやアプリケーションの安定性はビジネス成功の鍵となっています。この安定性を保つための重要な技術が「ロードバランサー(負荷分散)」です。

しかし、ロードバランサーの概念やその必要性は、多くの人にとって理解しにくいかもしれません。本記事では、ロードバランサーが何であるか、そしてその導入によって得られるメリットと注意すべき点を解説します。

ロードバランサー(負荷分散)とは?

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ロードバランサー(負荷分散)は、インターネットや企業のネットワーク上でサーバーへのアクセス負荷を適切に分散させる装置です。主な機能は、複数のサーバーが存在する環境において、アクセスが集中することによるサーバーの過負荷を防ぐことにあります。

具体的には、具体的には、インターネットからのアクセス要求を集約し、それを複数のサーバーに均等または負荷状況に応じて分配します。このプロセスにより、リソースに余裕があるサーバーを転送先として選択可能となります。

さらに、特定の種類のトラフィックを特定のサーバーへ振り分ける高度なルーティング機能や、不正なアクセスをフィルタリングするセキュリティ機能も備えています。

ロードバランサーは、ウェブサイトやアプリケーションの応答性能を高め、サーバーの稼働状況を最適化し、ダウンタイムを減らすための重要な役割を果たしています。

ロードバランサー(負荷分散)を導入するメリット

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ここでは、ロードバランサーを導入するメリットを解説します。

可用性の向上

ロードバランサーの最も重要な機能の一つは、負荷分散を通じてシステムの可用性を向上させることです。ロードバランサーは、過剰なアクセス集中を防ぎ、システムダウンを抑制します。

例えば、新商品発表時にアクセスが集中するケースだったとしても、ロードバランサーを介して複数のサーバーを構築しておけば、負荷分散しながらサーバー稼働を継続できます。

可用性は企業の営業活動において欠かせない要素のため、システム障害による損失を出さないためにも、ロードバランサーは重要な役割を担っているといえるでしょう。

同一のセッションを維持できる

ロードバランサーを使用すると、基本的にセッションの途中で途切れることがなくなります。

具体的には、ロードバランサーを使うと一人の利用者が別のサーバーに割り振られるためセッションが切れますが、同じサーバーに振り分けるなどの設定を入れることでセッションを維持できるためです。

特に、オンラインショッピングやフォーム入力など、途中でセッションが途切れると問題が生じる場合に効果的です。ロードバランサーにより、ユーザーは一貫したサービス利用を実現できるため、サービスへの信頼性向上にもつながります。

サーバー監視ができる

ロードバランサーは、Webサーバーを定期的に監視し、管理する機能も持ち合わせています。これにより、故障しているサーバーへのリクエスト防止につながります。

具体的には、故障中のサーバーが負荷分散の対象から外され、残りの正常なサーバーがトラフィックを引き継ぎます。仮に、一部のサーバーで障害が発生していたとしても、継続して安定的なサービスを提供することが可能です。

このようなサーバー監視機能は、システム全体の信頼性を保ちながら、メンテナンスや障害対応の効率を高めます。

ロードバランサー(負荷分散)のデメリットと対策

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ロードバランサーには、導入時にいくつかの注意点があります。

リソース管理が難しい

ロードバランサーの導入は、サーバーへのアクセスが集中し、負荷が過剰にかかる状況を想定しています。そのため、ピーク時に対応するためには、平常時の何十倍ものリソースを準備し、待機させておくことが大切です。

しかし、ピーク時以外では、これらのサーバーが稼働せずに待機状態になることが多く、過剰なIT投資となる可能性があります。

コスト効率とパフォーマンスの最適化を実現するためには、リソース使用率を定期的に分析し、必要に応じてスケーリングする戦略が効果的です。必要なリソースの規模と運用コストのバランスを十分に検討しましょう。

運用の手間が増える

ロードバランサーは、リスクを分散させるために複数のサーバーを設定する必要があります。これにより、管理すべきサーバーの数が増え、1台1台を個別に管理する必要が生じるでしょう。

集中管理が難しくなるため、サーバー管理にはより多くの時間的・人的リソースが必要です。このような運用の手間を減らすために以下のような対策があります。

  • 自動化ツールの導入 定期的なメンテナンスやアップデートを自動化することも、運用の負担を軽減する効果的な方法といえるでしょう。

  • 統合管理ツールの導入

複数のサーバーを一元的に監視・管理でき、運用効率を高められるようなツールの導入がおすすめです。

たとえば、「オートスケーリング」機能があります。これはロードバランサーにプラスして導入することで、オートバランサー用に確保するサーバーの台数を自動で管理し、必要最小限のサーバー数を維持することが可能になるシステムです。

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ロードバランサーのメリットとデメリットを把握して適切に導入しよう

ロードバランサーの導入は、インターネット利用者の増加に伴い、ウェブサイトやアプリケーションの安定運用に不可欠です。ロードバランサーのメリットとしては、サーバーへの過剰な負荷を適切に回避し、安定したサイト運用を実現できることがあげられます。

一方で、利用されない待機状態のリソースが過剰になることや、複数のサーバーを効果的に管理するための手間とコストが増加する可能性などデメリットに見える点については、オートスケーリングなど適切な対策で対応が可能です。

インターネットの利用者数は留まるところを知らないほど上昇し続けています。ロードバランサーを導入し、サイトの安定性・信頼性・ユーザー体験を大幅に向上させ、より顧客満足度の高いサイト運営を目指しましょう。