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Community Blog 天津自由貿易試験区で越境データのネガティブリストが公表

天津自由貿易試験区で越境データのネガティブリストが公表

3月に最終化された中国越境移転の規定をうけて、天津自由貿易試験区で重要データの内容が公表されました。ここでは33のカテゴリーと45のサブカテゴリーのデータが重要データとして特定されています。今後、各省で順次公表が進むことが見込まれますが、どういうデータが重要データと指定されるかについて参考になるため、ご紹介します。

3月に最終化された中国越境移転の規定をうけて、天津自由貿易試験区で重要データの内容が公表されました。重要データとして公表されていないデータについては安全性評価、標準契約の締結、認証の取得から除外されますので、事業者にとっても関心の高いリストといってよいでしょう。本文はこちらから読むことができます → https://shangwuju.tj.gov.cn/tjsswjzz/zwgk/zcfg_48995/swjwj/202405/t20240509_6620796.html

今回は、天津自由貿易試験区のネガティブリストについて紹介しましょう。

目的と意義、基本原則

今回の通知の冒頭で、天津市の商務局は「企業データの秩序ある越境流通を法に基づき促進し、高度な対外開放を促進し、より良いサービスを提供し、新しい発展パターンの構築を加速させる」ことを目的としていると述べています。また第1節の「目的と意義」においても「高い国際基準の経済・貿易ルールを補強し、デジタル分野の体系的開放を模索し、越境データフロー管理の新しいモデルを構築する」として、データ流通を促進させる姿勢を強調しています。今回の重要データリストの公表は、データ流通を滞らせるのではなく、促進させるための役割を担っているというメッセージが強く伝わってきます。

現代に在ってデータはビジネスを行う上で重要なリソースであり、その自由な流通を通じて高度なビジネスを目指すというのは日本を含め、世界各国で共通した姿勢です。今回「ネガティブリスト」として重要データが規定されたのは、「法に基づき企業データの秩序ある効率的な移転を促進し、企業のビジネス環境と国際競争力を効果的に強化する」ための、「バランスの取れた」アプローチを具体化した結果といえます。

「ネガティブリスト」を示すということは、「国家データ安全保障のボトムラインを堅持」(基本原則)するベースラインアプローチをとるということです。ただし、変化の速い技術領域であることに鑑みて「国のデータセキュリティ状況と天津自由貿易試験区内の企業主体、データ輸出シナリオの変化に応じて、「ネガティブリスト」の内容を動的に調整し、セキュリティ保証と発展促進の一体化を実現する」とも述べています。今後、情勢に応じて変化するものなので、継続的にモニターすることが必要でもあります。

適用範囲

ネガティブリストは、「天津自由貿易試験区内の企業が境外にデータを提供する際、データ輸出安全性評価を申告し、個人情報輸出標準契約を締結し、個人情報保護認証に合格しなければならない状況を規定」しています。ネガティブリストに記載のあるデータを域外移転する場合については安全性評価の申告、標準契約の締結あるいは個人情報保護認証への合格が求められます。裏を返せば、ネガティブリストに記載がまおデータの越境移転についてはこれらが免除されるということです。ただし、ネガティブリストに記載がなくても「国家機密、核心データ、政務データ」については別途規定があるので注意してください。

リストの内容

リストの内容の詳細は本文を参照していただくのがよいのですが、ここではネガティブリストのカテゴリーと子分類を紹介します。

戦略物質及び商品

1. 石油、石化、天然ガス、2. 農産物、

自然資源と環境

3.基本地理、4.環境影響、5. 気象、6.環境、7.水利、8.海洋

工業

9. 国防軍事、10. 科学工業、11.鉄鋼、12.レアアース、13.その他鉱物、14. 電力、15.電子通信、16.民謡核技術、17.工業装備、18. 工業インターネット及び工業制御システム、19.自動車

金融

20.銀行、21保険、22.賃貸・融資

統計

23. 経済統計、24.社会統計

通信放送

25.電信、26.テレビ・ネット、27.ニューメディア

住宅建設

28.住宅公積金、29.郵政、30.交通

公衆衛生

31.健康・医療、32.食品、33.薬品、34.生物安全、35.疫病検疫

公安、セキュリティ

36.物理的セキュリティ、37.ネットワークセキュリティ、38.応急管理

eコマース

39.サービスパッケージ、40.インターネットプラットフォームサービス

科学技術

41.輸出制限物質、42.禁止及び制限技術、43.重要知識、重大発見

個人情報

44.重要情報インフラ、45.重要情報インフラ施設の運営者データ

正確な情報については原文をご参照下さい。

アリババクラウドについて

2009年に設立されたアリババクラウドは (www.alibabacloud.com)、アリババグループのデジタルテクノロジーとインテリジェンスの中枢です。アリババクラウドは、エラスティックコンピューティング、データベース、ストレージ、ネットワーク仮想化サービス、大規模コンピューティング、セキュリティ、管理およびアプリケーションサービス、ビッグデータ分析、機械学習プラットフォーム、IoTサービスなど、あらゆるクラウドサービスを世界中のお客様に提供しています。IDCの調査でアリババクラウドは2018年以降、Infrastructure as a Service(IaaS)分野で世界3位のサービスプロバイダーに認定されています。また、ガートナーには、アリババクラウドは2018年以降、売上高で世界3位、アジア太平洋地域で1位のIaaSプロバイダーとして認定されています。


アリババクラウドは事業を展開する国と地域で適用される法律や規制を遵守しており、現在世界で80以上のセキュリティとコンプライアンスの認証を取得しています。日本語で発行したホワイトペーパーやコンプライアンス活動に関する情報は、Japan Trust Centerにまとめていますので、こちらもぜひご訪問いただければ幸いです。


https://www.alibabacloud.com/ja/trust-center/japan

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