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インドのデジタル個人データ保護法(2)

2023年8月11日にインドのデジタル個人データ保護法が成立しました。インドは日本企業を始め、グローバル企業にとってビジネス上の繋がりが深い国です。新たに規定されたデータ保護についてはぜひ理解しておきたいところです。

2023年8月11日にインドのデジタル個人データ保護法が成立しました。インドは日本企業を始め、グローバル企業にとってビジネス上の繋がりが深い国です。新たに規定されたデータ保護についてはぜひ理解しておきたいところです。

第2回目は個人の権利と個人データの越境移転について、執行措置や罰金の金額についてです。

個人の権利について

インドのデジタル個人データ保護法では、個人に対して個人データの修正をする権利、データを補完する権利、データを更新する権利、およびデータを消去する権利を提供しています。

最近のデータ保護法でしばしば取り上げられるデータポータビリティの権利や忘れられる権利についてはインドの法律には含まれていません。

個人データの越境移転について

インドのデジタル個人データ保護法では、個人データの越境移転について、原則許可するという姿勢をとっています。しかし、中央政府が通達(notification)を通じて定めた場合には、データ受託者による個人データのインド国外への移転を制限することができます。

執行措置や罰金について

インドのデジタル個人データ保護法には個人データ保護委員会が金銭的な罰金を課すことができることを定めています。金額は1インスタンス当たり最大250 crore(1 croreは1,000万ルピー。250 croreは25億ルピー、日本円にして44億円超)と高額です。罰金の金額を考慮する際に参考とする条件も示されており、以下の通りとなっています。

·         違反の性質、重大性、期間

·         違反により影響を受けた個人データの種類や性質

·         違反が繰り返されているか

·         違反の結果利益を得た者がいるか

·         違反の影響を軽減する措置を講じたか

·         罰金が比例性のあるもので抑止効果を持つか

·        罰金が違反者に及ぼす影響

インドのデジタル個人データ保護法のまとめ

インドのデジタル個人データ保護法は2017年依頼継続的に議論がされていました。2022年8月に成立間近と思われていた2019年個人データ保護法案が議会から撤回された後、世界中の企業がその成立を待ち望んでいた法律の一つとなっていました。

今回採択されたデジタル個人データ保護法は、データ侵害通知の期限を掲載しない、データポータビリティの権利を提供しない、データローカライゼーションの要件を削除、等以前議論されていたものから比べると緩やかな規制となっているのが特徴です。

詳細のルールは、今後議論されることとなるため引き続き動向を注視しておきたいところではあります。

アリババクラウドとインド市場

アリババクラウドは、2018年以来インドのムンバイにデータセンターを設立し、2つのアベイラビリティゾーンを提供しています。

アリババクラウドのインドにおける活動についてはアリババクラウドのトラストセンターをご参照ください。インドの金融規制とガイドラインについてのユーザーガイドも公表しているため、ぜひご活用ください。

アリババクラウドについて

アリババグループのデータインテリジェンスの中枢であるアリババクラウドは、世界29のリージョンと88のアベイラビリティゾーンを展開し、世界中の数十億の企業顧客や個人にITサービスを提供しています。アリババクラウドは、運輸、銀行・投資サービス、保険、製造・天然資源、卸売業、リテールなどの各分野においてグローバル市場シェアを高め、米調査会社ガートナーが公開した最新レポートでは4年連続で売上高世界3位、アジア太平洋地域1位のIaaSプロバイダーとして認定されています。(Gartner Market Share: IT Services, Worldwide 2022)

アリババクラウドは事業を展開する国と地域で適用される法律や規制を遵守しており、現在世界で80を超えるセキュリティとコンプライアンスの認証を取得しています。日本語で発行したホワイトペーパーやコンプライアンス活動に関する情報はJapan Trust Centerをご訪問ください。


(注:このブログは読者の方に情報提供を行うことを目的として記載しており、法的な正確性や解釈の正確性を担保するものではありません。実際のコンプライアンスにあたっては、必ずご自身で確認の上ご自身の判断でコンプライアンス対応を進めてください。アリババクラウドは内容の正確性、整合性、適用性、および信頼性について明示的か黙示的かを問わず一切の保証をしないことをここに言明します。アリババクラウドは、あらゆる組織、企業、個人が本ブログの内容を、利用、または信用することによって生じた誤りおよび金銭的損失について、一切の責任を負いません。アリババクラウドは、本ブログの内容を利用または信用することによって生じたあらゆる間接的損害、結果的損害、懲罰的損害、付随的損害について、利益損失も含め状況を問わず一切の責任を負いません。これは、アリババクラウドがそのような損害が生じる可能性について通知を受けていた場合も同様です。)

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